新たなる覚悟を持って/来季の経営展望とお願い

新たなる覚悟を持って/来季の経営展望とお願い

 カターレ富山をご支援いただいている皆様、J2復帰の感動の余韻が冷めやらぬことと拝察いたします。本当に良かったです。

 私はといえば、昇格が決まってホッとはしましたが、涙も笑顔もほとんどなく、既に頭の中は来季のことで一杯になっていました。本日はその一部、経営面について触れておきたいと思います。

 先ず、現実的な目標をどこに置くかです。「先ずは残留を目指す」とすれば必ず残留争いをしてしまう。またこのカテゴリーはあくまでも通過点です。その上のカテゴリーも意識したチーム作り、会社作りをして初めて「2度と降格しない」基盤作りができるでしょう。そうしたことを踏まえ、視座は高く持ち会社の目標としては「一桁順位」を目指すことといたします。そのために今後は必要なメッセージやアクションを起こして行きます。

 最も大事なことは会社のサイズを「J2仕様」に持っていくことです。昨年度のJ2クラブ平均総収益は約20億円。  カターレ富山は約8億円でJ2全20クラブ中19番目です。また総収益が10億円以下になると降格リスクがとても高くなります。一方過去には12億円程度で昇格プレーオフ圏内に入ったクラブもあります。そうしたことを踏まえつつ、カターレの現状からの現実的伸び代から「総収益11億円」をベンチマークといたします。これは昨年度決算値ベースでJ2全20クラブ中13番目のサイズにあたります。その際の強化費は現状の3.4億円に対して4.6億円程度になり、同じく15番目のサイズとなります。この辺がストレッチできる限界と踏みました。

 この11億円を生み出すために、現状の8億円から3億円の増収となりますが、それを基幹事業であるスポンサー、入場料、グッズの増収で賄うことになります。売上構成比でいけば、スポンサー収入で約220百万円、入場料収入で約50百万円、グッズで約30百万円の増収が必要となります。

 スポンサーについては現状700社を超える法人様の維持管理で手一杯であること、そしてスポンサー収益が全20クラブ中15番目であることから、既存スポンサー様で40〜50%の増額をお願いさせていただきたいと思います。また、入場料についてもチケット単価がJ2全20クラブ中20番目であることから、30%(チケット単価1,198円/同18番目)相当の値上げをさせていただきたいと思います。グッズの中でもユニフォーム価格については、リーグ全60クラブ中55番目であることから約15%の値上げをさせていただきたく、そ

 ぞれにおいて皆様のご理解を賜りたく、お願いを申し上げる次第です。
 こうした値上げで皆様の懐具合を痛めてしまう心苦しさはありますが、私が赴任した時から抱えるカターレ富山が浮揚していく上での抜本的問題点となっている「業界平均と比した相対的低単価」を、こうした機会に少しずつでも是正することで、クラブとしての競争力を高めて行きたいと考えております。でなければ一年後、かなりの確率で厳しい現実に直面してしまいます。クラブを応援いただいている皆様におかれましては、特段のご高配をどうかよろしくお願い申し上げます。

株式会社 カターレ富山
代表取締役社長 左伴繁雄 拝

以 上